『教育用G3Xパッチメイカー』(Step 10 データベース構造の巻)
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Step 5では各エフェクトの仕組みを知ってもらうために似たような表を載せたけど、今回は各エフェクトの
データベース関数の構造と実際に入っている生データを理解してもらうための詳細表を掲載してるyo



0
エフェクト名
1
並び替えコード
2
G5/G3Xペダルパラメ
3
G3v1ペダルパラメ
4
G2Nuペダルパラメ
5
フットスイッチ1
6
フットスイッチ2
7
予備
8
予備
9
予備
0番台
10番台
拡張用
0
パラメータ名
1
最小値
2
最大値
3
値の個数
4
同期も合わせた値の個数
5
テンポ同期対応
6
ペダル対応
7
予備
8
予備
9
予備
20番台
Prm2
30番台
Prm3
40番台
Prm4
50番台
Prm5
60番台
Prm6
70番台
Prm7
80番台
Prm8
90番台
Prm9

【解説】

上の表を見ると10行×10列で100個のデータ枠があるね。これが1つのエフェクトに対して持たせているデータの
量だよ。ここでは「StereoDly」を実例に取り上げて説明するよ。まず、左上のセレクトメニューで一番上にある
StereoDlyを選んでみてね。すると、すぐ下のテキストエリアには実際のデータベース関数でStereoDlyの行が持っ
てるテキスト情報が表示されるよ。下の100個の枠にはそのテキストがコンマで区切られた順に入っているよ。
注意しておいてほしいのがここに収録しているデータはあくまでG3X/G3v2用のデータだということだよ。同じ
StereoDlyでもG5とG3Xではディレイタイムの最大値の変更があったよね。そういう変更情報まで全部一つの
データベースに持たせちゃうとややこしくなり過ぎちゃうから、G5用のStereoDlyはエクセルの表でも別の行に分
けて管理してるyo ここではあくまでG3Xで使うデータだけが入ってればいいんだyo

順に見ていこうか。先頭はエフェクト名だね。次が「並び替えコード」。これは何かというと、元祖パッチメイカーで
ランダムに選んだユニットをある程度セオリーどおりの並び順に入れ替えるときに使う値だよ。コーラスやディレイ
などには5が入っていて、歪みペダルには3が入ってるよ。次は「G5/G3Xペダルパラメ」。これはそのエフェクトの
パラメータ番号何番がペダルコントロールに対応しているかを文字列形式で表しているよ。StereoDlyの場合は
456789という値が入っているから、Prm4からPrm9までのパラメータがペダルコントロール対応しているという意味
だよ。これもパッチメイカーでペダルの機能をランダムに割り当てるときに使うデータだよ。次の3番、4番の枠は
G3X専用データであるこのStereoDlyのデータでは空欄になってるよ。兼用データの他のエフェクトの場合はG3v1
でエクスプレッションペダルを接続したときにどのパラメータが自動的にペダルコントロール対象に選ばれるのか
その番号が入るよ。G2Nuの欄も同様だよ。

次は「フットスイッチ1」「フットスイッチ2」。これは外部フットスイッチを接続したときにそのエフェクトで独自に選べ
る機能がある場合、その名称が入ってるよ。StereoDlyの場合は「InputMute」という機能が使えるので表示され
てるよ。ここまでが今のところ使用しているエフェクトユニット全体に対するデータ欄だよ。7、8、9番は拡張用の
予備として空けているので、また何か思いついたときに新しいデータを入れて使うことができるよw(思いつき笑)
さらに、その下の行の「10番台」も完全に空けてあるので、ZOOMがステレオ対応にしたり、MIDI対応にしたりと
何か新たなバージョンアップを導入して、管理すべきデータが増えた場合でも余裕で対応できるようにしてるよw
ま、この行を使う機会がないまま全く別のステージに移行されちゃう可能性もあるだろうけどねw(苦笑)

さて、20番台からが個別のパラメータごとのデータ行になるよ。Prm2が20番から29番までというように十の位を
パラメ番号と合わせたので、プログラミング中の勘違いとかを防止する意味でも非常にわかりやすいデータ構造
になったと思うよ。20番がパラメータの名称、21番が最小値、22番が最大値。これらはパラメータ説明のような
プログラムで使われる表示用のものだよ。23番が「値の個数」。これはマニュアルに掲載されているパラメータの
値の範囲を見てカウントすることができるそのパラメータがとりうる値の個数が入ってるよ。基本的にこの数値を
利用してランダムデータを発生させているので、パッチメイカーのプログラム上非常に重要なデータだよ。

次の24番は「同期も合わせた値の個数」。これもランダムデータをつくる上で利用する場合があるよ。ただし、マ
ニュアルにはどのパラメータがどの長さの範囲でテンポ同期しているのかという仕様が全く記載されていないよ。
これも不親切なところなんだよね。でも、ボクのwebサイトでその内訳を掲載しているから安心してくれw
http://zkun.zouri.jp/zp.html

25番が「テンポ同期対応」。これも上のサイトを見てもらえばわかるんだけど、テンポ同期しているパラメータでも
対応している最も短い音符長や最も長い音符長がまちまちなんだよねw(大苦笑) これをいくつかのパターンに
整理して下のようにパターン番号をつけて管理しているよ。
 0番=テンポ同期しないパラメータ
 1番=すべてのテンポ長に同期するパラメータ(最短32分音符から5小節まで):28パターン
 16番=最長で四分音符16個まで同期するパラメータ(最短は16分音符):23パターン
 12番=最長で四分音符12個まで同期するパラメータ(最短は16分音符):19パターン
 10番=最長で四分音符10個まで同期するパラメータ(最短は16分音符):17パターン
 8番=最長で四分音符8個まで同期するパラメータ(最短は16分音符):15パターン
 6番=最長で四分音符6個まで同期するパラメータ(最短は16分音符):13パターン
 4番=最長で四分音符4個まで同期するパラメータ(最短は16分音符):11パターン
 99番=特殊なテンポ同期をするパラメータのグループ :それぞれw
ややこしいけど、4番から16番まではディレイ系で容量によって上限が制約されているんだと思うよ。ちなみに
StereoDlyの場合は4番が入っているから、最短16分音符から最長1小節までの長さの範囲の11パターンでテンポ
同期できるよ。この11という数字は、23番データと24番データの値の差に等しいというわけだよw(納得笑)

26番が「ペダル対応」。これもいろいろ研究した結果、ペダル対応しているパラメータの中には使う上で注意が必
要なものもあるので、それが出てきたときにわかるように下のようなパターン番号をつけて管理しているよ。
 0番=ペダルコントロール対応しないパラメータ
 1番=ふつうにペダルコントロール対応するパラメータ
 2番=ペダルをいっぱいに戻した場合、音がこもり過ぎるもの
 3番=ペダルをいっぱいに踏んだ場合、かかり過ぎで聴き苦しくなるもの
 4番=ペダルを踏み込んでいく途中で効果に段差が発生するもの
 5番=ピッチを扱うパラメータで始点と終点の設定に注意すべきもの
 6番=ペダルで操作した場合、挙動に問題を感じるパラメータ
これはかなり主観的な判断も入っているし、エフェクトごとに程度の差もあるので一律に「だから駄目」というもので
はないよ。なぜこのように神経質な分類をしているかというと、G5の3D-Zペダルでアサインする場合、ペダルを中
央に戻したときに左右方向にアサインしたパラメータが最小あるいは最大で固定された場合にどのような事態が発
生するかということを考慮する必要があったからだよ。まあ、G3Xで使う分にはほとんど意識しなくていいかもねw

27番から29番は拡張用の予備領域としてキープしてるよ。たとえばZOOMがUSB MIDIを導入して、各パラメータご
とにデータを受信できるようになった場合にそれ用のID番号を入れておくとか色々使える可能性はあると思うよw
30番台から90番台までも同様にデータが入っているよ。このデータ形式のうまいところは、今後1エフェクトあたりの
パラメータ数が12個とか20個とかに増えていった場合でも、単純に120番台、200番台までデータを付加していくだ
けで、データ構造やプログラムに変更を加えることなく対応できてしまう点だよw これでCDRでパラメータ数が増え
ても、次期フラッグシップでステレオ化してパラメ数が2倍になっても、このまま対応できると思うyo あっ、それ以前
にMSシリーズはEdit&Share非対応だったかw(呆れ笑)

これでzkunのパッチメイカー系プログラムをつくる上で理解しておく必要がある大きな柱となる部分の構造は全て
解説したことになるよ。あとは、いかに求める音を効率よく指定できるようにするか、無駄なゴミパッチを減らすため
に何を切り捨てるか、爆音で耳を痛めないようにどういう工夫をするか、といった細かなテクニックが話題の中心に
なってくるよ。あと、エクスプレッションペダルというちと厄介なものも残ってたかw(苦笑)

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